【脳梗塞】車椅子から脱却し、自力で歩くことの嬉しさとキツさと言ったら……リハビリの本質は自主トレの継続!?【真柄弘継】連載第9回 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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【脳梗塞】車椅子から脱却し、自力で歩くことの嬉しさとキツさと言ったら……リハビリの本質は自主トレの継続!?【真柄弘継】連載第9回

【連載】脳梗塞で半身不随になった出版局長の「 社会復帰までの陽気なリハビリ日記」163日間〈第9回〉

 

◆発症から102日間は車椅子で座りながら移動していた日々

 

■9月17日水曜日

現在朝の5時45分。日記なのに朝から早々に書いている。

昨夜の22時から明け方の4時の間で、三回の自立チェックを無事にクリアした。

7月8日に車椅子で移動が自由になった日から毎日訪れたラウンジ。

車椅子で来るのは今朝が最後となるかと思うと、一歩確実に前進した高揚感とともに嬉しさがこみ上げてくる。

 

今日のリハビリの予定で朝一番に足の担当O本さんが入ることになっている。

その時にチェックシートを渡せば、早ければ夕方には2階を杖で歩けるようになるのだ!

朝一番の足のリハビリで屋上のトレーニングコースを歩きに行った。

階段、砂利道、スロープとふらつくことなく無事にクリア。

午後一番の足のリハビリでは階段の昇り降り。

以前のような下りで左足が痛むことなく昇降でき、セラピストさんが驚いていた。

手は二回ともメルツ。

指を広げることに全力!

午後2時から2階を杖を使って自由に歩けるようになった。

早速リハビリへも杖で歩いていった。

昨夜の夜中の自立チェックや、自立初日で2階を歩いたからか、いつも以上に疲れた。

5時に食堂へ行きのんびりと夕御飯を待ちながらスマホでラインをしたりコミックを読んだり。

夕御飯が済んだら廊下を歩こうと思っていたが、車椅子で座りながらの移動と違い、常時立ちっぱなしは想像をはるかに超えて疲れるものだ。

それでも一晩寝たら体力も身体の機能も、今日より良くなっているはず(これまで全部で経験)。

ご飯をしっかりと嚙んで食べ、睡眠を可能な限りとり、明日のリハビリに備えるのだ。

 

■9月18日木曜日

いつものように午前4時過ぎから自主トレをして、汗で濡れた服を洗濯物として篭へ運ぶ。

これまでと最大の違いは車椅子でなく歩いていったこと。

一度部屋に戻り首からスマホをかけてラウンジへの100メートルほどを歩いた。

実に朝から素晴らしく効率の良い自主トレだ!

なぜ効率が良いのか?

歩くだけなのにトレーニングとなるからである。

これからは体力増強は歩くことで可能だから、リハビリは筋肉増強(左足も)マシンへとシフトしていくことをセラピストさんと相談して決めた。

歩く=自主トレとなり、時間を無為に過ごすことがなくなる。

私としてはとても喜ばしく嬉しい。

 

今日からタイムトライアルで部屋からラウンジをまわって食堂までの歩いた時間を記録していく。

朝イチは身体も軽快だから、何周か歩いた後の歩きでタイムトライアルとする。

初日の今日は5分。

来週の木曜日にどれくらいになっているのか?

時間短縮=回復だから楽しみだ(笑)

さて、昨日までと今日とで大きく変わったことがある。

これまで発症から102日間を車椅子で座りながら移動していた。

立ちっぱなしとなり、疲れかたが想定以上に増えたのだ。

朝起きてからトイレとベッドに腰かける時と、食事のとき以外は立っているのである。

もちろん所々にある椅子に腰かけて休むことはある。

だが基本は立っている時間の方が格段に多い。

健康なときは何キロも歩いて営業していた。

僅か100日ほどを座りながら移動していたら、こんなにも体力はなくなるのか!

人間の身体とは実に脆いものだな。

次のページリハビリの本質はその人なりの自主トレの継続ではないか!?

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真柄弘継

まがら ひろつぐ

現役出版局長

1966年丙午(ひのえうま)126日生まれ。

1988年(昭和63)に昭和最後の新卒として出版社に勤める。

以来、5つの出版社で販売、販売促進、編集、製作、広告の職務に従事して現在に至る。

出版一筋37年。業界の集まりでは様々な問題提起を行っている。

中でも書店問題では、町の本屋さんを守るため雑誌やネットなどのメディアで、いかにして紙の本の読者を増やすのか発信している。

 

2025年68日に脳梗塞を発症して半身不随の寝たきりとなる。

急性期病院16日間、回復期病院147日間、過酷なリハビリと自主トレーニング(103キロの体重が73キロに減量)で歩けるまで回復する。

入院期間の163日間はセラピスト、介護士、看護師、入院患者たちとの交流を日記に書き留めてきた。

自分自身が身体障害者となったことで、年間196万人の脳卒中患者たちや、その家族に向けてリハビリテーション病院の存在意義とリハビリの重要性を日記に書き記す。

また「転ばぬ先の杖」として、健康に過ごしている人たちへも、予防の大切さといざ脳卒中を発症した際の対処法を、リアルなリハビリの現場から当事者として警鐘を鳴らしている。

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